#FACTFULLNES ~10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣~#7
著:ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング
この本は、「本質をとらえることができる目を養う」ことの重要性を書かれている本です。
チンパンジークイズという、3択の問題があります。この3択の問題を解いていくと、チンパンジーでも30%の正答率となるようです。しかしながら人間の正答率は学力に関係なく、10%程度だということです。これは、我々人間が起きている物事を「ドラマチックな視点」で見てしまう傾向があるからだそうです。
例えば、「貧困問題」・「人口問題」・「環境問題」を見る時にデータではなく、ドラマチックに見てしまうとのことです。
以下に、チンパンジークイズがありますので、試してみてください。
回答率はいかがでしたでしょうか??
この「世の中をとらえる目」を鈍らせる力である人間の「10個のドラマチックな本能」が以下の通りです。
<10個のドラマチックな本能>
1 分断本能
様々なことを2つのグループに分けて、両者の間には決して交わることがないと思い込んでしまう本能。
2 ネガティブ本能
人が、ポジティブ面より、ネガティブ面に注目しやすいという本能。
3 直線本能
多くの人が、「世界の人口がひたすら増え続ける」と勘違いする原因でもある、グラフが直線を描くと思い込んでしまう本能。
4 恐怖本能
人の目は、自然に「恐ろしいもの、怖いもの」にいってしまうため、世界が実際の現実より恐ろしく見えてしまうという本能。
5 過大視本能
1つの実例(数字)を重視しすぎてしまい、勘違いをしてしまう本能。
6 パターン化本能
「ひとつの例がすべてにあてはまる」と思い込んでしまい、物事をパターン化してしまうことで、その瞬間から思考停止状態に陥ってしまう本能。
7 宿命本能
生まれ持った宿命により、すべての事象の行方が決まってしまうという思い込みの本能。
8 単純化本能
起こる様々な問題に対し、一問一答という答えを限定して当てはめてしまう本能。
9 犯人捜し本能
悪いことが起こった時に、全体を見て原因追及や、システムを考え直すことができなくなってしまう。単純明快な理由を見つけたくなる本能。
10 焦り本能
直前に危機が迫っていると感じた瞬間に、すぐに動きたくなる本能のことで、この本能は、焦りによって、いつもできる冷静な判断ができずに、他の本能まで引き出されてしまう。
この中でも私は、2つの本能「分断本能」と「ネガティブ本能」がまずは重要なのではないかと思います。
①「分断本能」は、対立する考え方を持つことの危うさで、実際この世の中は、あいまいな部分が大多数占めていることから目を背けてしまっているのではないかと思います。どんな物事においても、グラデーションはあるものです。このグラデーションを知ることで、本質を捉えれるのではないかと思います。
②「ネガティブ本能」は、どんどん物事が悪い方向に進んでいると思い込む危うさで、特にメディアからの悪い事象の情報発信のみを信じてしまい、ポジティブ面を見ないことになります。このことについては、物事を捉える時に、両面(ポジティブ・ネガティブ)をデータで見る必要性があると思います。
「パラダイムシフト」という言葉がありますが、これも両面を見ることで導き出しやすい考え方になるのではないかなとも推測します。
また本書には、「教育の必要性」について言及されています。
ー世界の人々の暮らしを収入別に写真で見ることができる「Dollar Street(ドル・ストリート)」を子どもたちに見せるといった、提案もされており、自分の子供たちに収入別での世界の現状をビジュアルで見せることができ、考えさせることができます。
「OO地域のOOについて」で組み合わせできるので、お子さんの興味があるもので場合分けできます。
ほんの一部のご紹介ですが、この本には自分で情報を獲得し判断することが重要である。
思い込みをデータとして捉えることの重要性を示されている本です。
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