イノベーションのジレンマ #8
「イノベーションのジレンマ」優良企業や優秀な人ほど陥りやすい落とし穴かもしれません。
今ある優良企業、優秀と言われている人がかかりやすい病気みたいなものなのかな?と思いました。
著者:クレイトン・クリステンセン(ハーバードビジネススクール教授)
取引先の社長や経営層の方々とお会いすることが増えており、「昔に比べて事業計画が策定しづらくなった」「中長期の計画がもう考えられない」と、よく話題にあがります。
特に【イノベーション】という言葉は、魔法の言葉のように使われておりますが、果たして次の時代につながるイノベーションはなんなのか?といつも考えさせられています。
この本にはイノベーションをわかりやすく、『持続的イノベーション』と『破壊的イノベーション』に分けて記載されています。
・『持続的イノベーション』:既存顧客が重視するニーズに応えること。
・『破壊的イノベーション』:
①最低限の性能で十分で価格破壊を起こす商品(サービス)
②性能は既存商品以下でも、解決できなかった課題を解決でき新しい価値を提供できる商品(サービス)
「破壊的イノベーションが市場のニーズに合致した時点」で、急激な置き換えが始まります。
その理由は、
1.既存の商品(サービス)・能力を提供する者は、そのものが専門的であればあるほど、持続的な革新に努める。
2.全く違う商品(サービス)・能力が現れることがあるが、それらは最初は市場のニーズを満たしておらず、既存の商品(サービス)・能力に全くかなわないし、気づかれない。
3.異なった商品(サービス)・能力でも持続的革新を続けることによって、市場ニーズを満たし始まり、急激な置き換えが始まる。
⇒既存の商品(サービス)・能力を有する者にとって、「異色である革新」への対処が、まったく違うものだと理解されてしまったり、身動きがとれなくなってしまっていたり、気づけなかったりと、対応することが極めて難しくなる為です。
これは、ある日突然に、今まで当たり前であったモノが、他のモノに置き換えられることを想起させます。
・「デジタルカメラ」(カメラ業界)と「スマートフォン」(通信業界)
・「チラシ広告」と「Web広告」
・「DVDレンタル店」と「オンデマンド配信」
・「家電量販店」と「ホームセンター」
・「事務員」と「RPA*(ロボティック・プロセス・オートメーション)」
*RPA:事業プロセス自動化技術の一種で、ソフトウェアロボット または仮想知的労働者と呼ばれる概念に基づいている。(Wikipediaより)
商品のみならず、日々の仕事、産業においても、置き換えが身近で起こっているように思います。
消費者視点で見るとありがたい革新!!と思いますが、
供給者(働く側)としては、日々自分の提供している商品(サービス)・能力を、多角的に視て、考え続けていかないといけないポイントだと思います。
また、この中で顧客ニーズが2段階あることをしっておくこともポイントです。
①ローエンドカスタマー(低い要求の顧客):商品(サービス)・能力を性能は最低限で安い金額で購入したいと考えている層
⇒私のケースは商品として、「スマートウォッチ」が当てはまっています。
②ハイエンドカスタマー(高い要求の顧客):商品(サービス)・能力を性能の高い質を追求しているため、価格を気にしていない層
⇒私のケースは商品として、「PC」が当てはまっています。
この2つのカスタマーに対する提供をマーケットとして視ることも重要だと思います。
そして、市場を大きく獲ることができる「イノベーションのジレンマ」を打ち壊す戦略として以下のことが重要だということです。
- 既存の概念とは違う基準をもって考える
- 新しい市場に挑戦してみる
- 既存顧客とは関係のない組織を意図的に作る
⇒「新規事業を策定(運営)する小さな組織を作ること」が重要。
・企業としては、小さな組織で小さく始めて修正していきながら、事業化する。
・個人としては、今あるもの、就いている職種・職業とは違う経験(体験・勉強等)を得ながら、多角的視点を持って、小さく挑戦することが大事だというだと思います。
サラリーマンが副業を始めて良い!といわれるようになった昨今、自分の能力を伸ばす、提供する副業もいいですが、長期的に見て自分自身の価値を高めるイノベーションを追求した副業も良いかもしれませんね。個人(能力)が商品となる時代に突入していると思う今日この頃です。
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