成人式の方々おめでとうございます。#3僕は君たちに武器を配りたい
成人式の日ということでこの本はこれから社会人になる、または就職を考えらている若者はもちろん、現在経営などに悩まれている方に読んでいただきたい本です。
『僕は君たちに武器を配りたい』 著:瀧本哲史
この本は、2012年ビジネス書大賞を受賞されており、大学卒業後、大手コンサルティング会社のマッキンゼーに就職され起業された瀧本先生が書かれております。瀧本さんは残念ながら2019年8月に訃報のニュースがありました。
表紙には、
これから社会に旅立つ、あるいは旅立ったばかりの若者が、非常で残酷な日本社会を生き抜くための、「ゲリラ戦」のすすめである。と書かれております。
この本で大事なことは、不労所得を得ることを考えるのではなく、「投資家的にものごとを考えること」とされています。
一攫千金を狙うのではなく、自分に与えらているもの(時間・労力・才能)を何に投資すれば、リターンとしてマネタイズできるのかを真剣に考えることが必要である。
現在は、市場のコモディティ化(商品やサービスに差別化がない)が進んでおり、このこと自体が労働市場における「人材」においても、同じことが起きている。この潮流から逃れるには、「スペシャリティ(他のものには代替できない唯一のもの)」になることが必要だとされております。
そして、この「スペシャリティ」は、時代が流れることで、いつの間にかコモディティと転落していく。
これは今後どの要素がコモディティでありどの要素がスペシャリティなのかを分別することを熟知しなければならないとされています。
現在に照らし合わせると2011年に執筆されてから9年経ちましたが、まさに2011年の時以上に多くのコモディティの事象を見かけます。
これから就職をされる就活生においては、「顧客を大切にしている会社か」を企業を見極めるポイントとして記されており、この点についても、2011年以上に世の中の評価がそのように変化しています。
また、資本主義の世界で稼ぐことができる6つのタイプが非常に参考になります。
①トレーダー:商品を遠くに運んで売ることができる人
②エキスパート:自分の専門性を高めて高いスキルによって仕事ができる人
③マーケッター:商品に付加価値をつけて市場にフィットさせて売ることができる人
④イノベーター:新しい仕組みをイノベーションできる人
⑤リーダー:起業家となり、仕事をマネージしてリーダーとして行動する人
⑥インベスター(投資家):投資家として市場に参加する人
ただし、「トレーダー」はインターネットの普及により、価格の透明化が進んでいくことで、「サヤ」を抜くことが年々難しくなっている。「エキスパート」は産業構造の変化が激しいため、積み重ねてきたスキルや知識がすぐに過去のものとなり、必要性がなくなってしまうとされ、価値を失いつつあるとされています。望ましいのは残り4つの顔(マーケッター、イノベーター、リーダー、インベスター)を使い分けることである。
この中で「マーケッター」を深堀しますと、私の前職でも非常に重宝される役割でした。
「マーケッター」は顧客自体を新たに再定義できる人のことで、新しいアイデアをもっている必要はなく、世の中の変化を感じ取ることができる感度の良さと、正確に推理できる分析力が必要で、売り物に関してターゲットとなった顧客が”共感できるストーリー”を作ることができる人のことです。
ある意味同じ商品を扱ってトップセールスマンと普通のセールスマンの比較のようにも思えます。
起業や新事業を考えられている方へ
起業家が新しいビジネスの要素を見つけるときの視点としては、相手がしょぼい(弱い)事業を行っているマーケットを狙えば勝機があるとされています。
そして「仮想となる敵」が必ず必要だとされています。敵がいない市場は、ブルーオシャンではなく、市場がないのかもしれませんね。
投資家的視点の重要性
投資家で非常に有名なウォーレン・バフェットにも触れられておりました。
ウォーレン・バフェット流の投資の判断基準として、
①長期的な視点で富を産みだし続けれるか
②人を信頼できるかどうか と書かれております。
これが、投資家的視点に立って生き抜く力を養うポイントなのでしょうか。
私はこの本を読んだのは、ちょうど大手企業を辞めてすぐの2014年でした。
もっと早くこの本に出合えていれば、読んでいればとの思いもありますが、現在でもこの考え方が非常に参考になっております。面白い本なので是非ご一読いただければと思います。
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